過払い金請求にかかる費用はいくら?自分で行う際の注意点や弁護士に依頼するメリットも解説
- 執筆者弁護士 山本哲也

過去に消費者金融やクレジットカード会社からお金を借りていた方の中には、法律上支払う必要のなかった「過払い金」が発生しているケースがあります。
過払い金請求をすることで、払い過ぎた利息を取り戻せる可能性がありますが、その手続きには一定の費用やリスクが伴います。
今回は、過払い金請求にかかる費用の相場、自分で手続を行う際の注意点、弁護士に依頼することのメリットなどについて、わかりやすく解説します。
過払い金請求にかかる費用の相場は?

過払い金請求には、主に以下のような費用がかかる可能性があります。
弁護士・司法書士に依頼する場合
法律専門家に依頼する際の費用の内訳は、以下のとおりです。
相談料
無料としている事務所も多いですが、有料(30分5000円程度)の場合もあります。
着手金
過払金がどれくらいあるかにもよりますが、10万円から30万円程度が多いです。最近では着手金無料の事務所も少なくありません。
報酬金(成功報酬)
取り戻した過払い金の20%程度(訴訟による場合は25%程度)が一般的です。
実費
郵送費、印紙代、交通費など、数千円~数万円程度かかります。
自分で手続きをする場合
自分で請求する場合、弁護士費用はかかりませんが、次のような費用は自己負担となります。
- 郵送費・通信費:取引履歴の開示請求や和解書のやりとり等にかかる
- 印紙代・予納郵券代:訴訟を提起する場合に必要(数千円程度)
- 交通費・時間的コスト:裁判所への出頭や、書類作成・送付に要する時間
費用面では安く済みますが、その分手間やリスクが増える点に注意が必要です。
過払い金請求を自分で行う時の注意点
費用を抑えるために自力で手続きを行う方もいますが、以下のような注意点があります。
専門知識が必要
過払い金の計算には、利息制限法に基づく利率や元金充当のルールに沿った複雑な再計算が必要です。正確に計算しなければ、本来請求できた金額を取り逃す可能性があります。
金融業者との交渉が難しい
相手はプロの金融業者です。請求に対してゼロ回答(一切支払いをしないという回答)をしてきたり、不利な和解案を提示されたりすることもあります。
強い交渉力がないと、納得のいく金額を回収するのは難しいです。
訴訟手続に慣れていないと不利になる
任意交渉で解決しない場合は、訴訟に移行する必要があります。訴状の作成や証拠の提出などは一般の方には難しく、手続のミスがあると請求が認められないおそれがあります。
時効に注意
過払い金請求には「完済(最終取引日)から10年」または「過払い金請求ができることを知ったときから5年」という消滅時効があります。
手続に時間がかかるうちに、請求の期限が過ぎてしまうケースもあるので、注意が必要です。
【参考】弁護士費用
弁護士に依頼するメリット

手数料がかかるとはいえ、弁護士に依頼することで得られるメリットは大きいです。
正確な過払い金の計算と時効の判断
弁護士は、利息制限法や貸金業法、判例などの専門知識に基づき、正確な過払い金の額や請求可能な範囲を判断できます。消滅時効にかかるリスクを回避する戦略も立てられます。
交渉・訴訟対応も任せられる
相手が提示する不利な条件に対し、法的根拠に基づいた交渉を行ってくれるため、自分で交渉する場合と比べて、返還金額が大幅に増える可能性があります。交渉が決裂した場合も、すみやかに訴訟へ移行し、適切に対応してくれます。
依頼者の負担が大幅に軽減される
書類の収集・作成・送付、交渉、裁判所対応など、煩雑な手続を一任できるため、時間的・心理的負担が大幅に軽くなります。
債務が残っている場合にも対応
過払い金請求と同時に、残っている借金の減額や整理も依頼可能です。任意整理や自己破産など、最適な債務整理方法についても提案を受けることも可能です。
お気軽に弁護士にご相談を

過払い金請求は、「払いすぎたお金を取り戻せる」正当な権利の行使です。とはいえ、相手は金融のプロであり、支払を免れようと対応してくるため、個人での対応には限界があります。
近年では、過払い金の返還率が下がってきており、交渉や訴訟での専門的な対応が、ますます重要になっています。
まずは、費用や流れについて弁護士に相談し、「自分には過払い金が発生しているのか?」「請求可能な状況なのか?」を確認することから始めるのがよいでしょう。
弁護士法人山本総合法律事務所は、過払金請求の実績があります。長期間に渡り、借金の返済をしていた方は、お気軽にご相談ください。過払い金の有無や請求の流れ、費用についてお伝えします。
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