【Q&A】不動産担保ローンにも過払い金が発生する?
- 執筆者弁護士 山本哲也

貸金業者から借り入れを行った場合に、無担保のローンを不動産担保ローンに切り替えて、残りの分を精算したケースでは、過払い金が発生している可能性があります。
群馬県高崎市の弁護士が解説します。
1.不動産担保ローンにも過払い金がある

不動産担保ローンの金利も無担保のローンなどと同様に、利息制限法に規定されています。
具体的には、融資元本の額に応じて下記の通りとなります。
・10万円未満の場合には年利20%
・10万円以上100万円未満の場合には年利18%
・100万円以上の場合には年利15%
過払い金が発生するのは、法定利利息よりも高い利息を支払っている場合(いわゆるグレーゾーン金利)ですから、現在借り入れされている不動産担保ローンの利息が上記の上限金利よりも高ければ過払い金が発生している可能性があります。
>> グレーゾーン金利とは?
2.不動産担保ローンに切り替える前の借り入れで過払い金が発生する可能性も

不動産担保ローンの利息が利息制限法の規定内で過払い金が発生しない取引でも、先に無担保のローンを利用しており、その後、不動産担保ローンに切り替えた場合なども過払い金発生の可能性があります。
切り替え前の無担保ローンで法定利息を超える利息を払っていれば、過払い金が発生している可能性が高いためです。
3.切り替えから10年経っていると時効の可能性が

ただ、切り替え事案では、無担保ローンの取引と不動産担保ローンとを一連の取引としてみることができるのか、過払い金を計算する上で問題となります。
特に切り替え時期が10年以上前の場合、無担保のローンの過払い金について消滅時効が成立し、取り戻せなくなってしまう可能性があります。
また、切り替え後の不動産担保ローンの多くは法定利息内の取引であるため、過払い金が無いか、あっても少額になるという事態が生じます。
>> 債務整理・過払い金返還はお早めに
4.複雑な過払い金の計算は専門家に相談を

過払い金の計算は複雑ですし、一連の取引として計算することができるかなどの判断は、専門的な知識や経験などが必要となります。個人で判断をすることは困難といえます。
ご自身の取引に過払い金が発生しているか知りたい方は、一度弁護士に相談することをおすすめします。
その際に、借入先の貸金業者から「取引履歴」を取り寄せてから相談すると、より正確に過払い金の有無や金額を教えてもらうことか可能です。
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