亡くなった親に過払い金があった場合、家族が請求できますか?相続と過払い金の関係を弁護士が解説

亡くなった親に過払い金があった場合、家族が請求できますか?相続と過払い金の関係を弁護士が解説

「親が亡くなった後に、昔の消費者金融の通帳や契約書が出てきた」「遺品整理をしていたら、貸金業者からの古い書類が見つかった」――このような状況に直面したとき、「もしかしてお金が戻ってくるのでは?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、亡くなった方(被相続人)に過払い金が発生していた場合、その請求権は相続人が引き継ぐことができます。ただし、手続きにはいくつかの注意点があり、対応を誤ると請求できなくなってしまうケースもあります。このページでは、相続と過払い金の関係について、弁護士法人山本総合法律事務所がわかりやすく解説します。

亡くなった親の過払い金は、家族が請求できるのか?

仏花

結論からお伝えすると、相続人は被相続人の過払い金返還請求権を相続することができます。

過払い金返還請求権は、金銭的な価値を持つ財産的権利です。預貯金や不動産と同様に、相続の対象となる財産のひとつとして扱われます。したがって、亡くなった方が生前に消費者金融やクレジット会社から借り入れをしており、過払い金が発生していた場合、その返還を求める権利は相続人全員に引き継がれます。

相続人が複数いる場合(配偶者と子ども、兄弟姉妹など)、過払い金返還請求権は各相続人が法定相続分に応じて取得することになります。ただし、実務上は相続人全員の合意のもとで一人が代表して請求手続きを進めることが多く、その際には他の相続人からの委任状が必要になる場合があります。

【参考】【弁護士が解説】過払い金請求でローンが組めなくなる?信用情報への影響をわかりやすく整理

過払い金が相続できない場合もある?相続放棄との関係

相続の相談をしている様子

相続手続きで注意が必要なのが、相続放棄をした場合です。

被相続人に多額の借金があった場合、相続人は相続放棄を選択することがあります。相続放棄をすると、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続しないことになるため、過払い金返還請求権も放棄したことになります。つまり、相続放棄をした後に「過払い金があったので返してほしい」と請求することはできません。

反対に、過払い金の額が大きく、借金よりも過払い金の方が上回る可能性がある場合には、相続放棄をする前に過払い金の調査をおこなうことが重要です。引き直し計算の結果、借金がゼロになるどころか過払い金が発生していることが判明し、プラスの相続財産となるケースも実際にあります。

相続放棄の期限は、相続の開始を知ったときから原則3か月以内です。過払い金の調査と合わせて、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

請求できる期間に注意!相続した過払い金にも時効がある

カレンダーと砂時計

過払い金の返還請求権には消滅時効があります。この点は、相続した場合でも変わりません。

過払い金の時効は、最後の取引(返済)から10年とされています。被相続人が借金を完済してから10年以上が経過している場合、原則として過払い金の請求はできなくなります。

「親が亡くなってから遺品を整理していたら古い書類が出てきた」というケースでは、すでに時効を迎えてしまっている可能性もあります。一方、被相続人が完済しておらず、返済が続いていた場合には、時効はまだ進行していないため、請求できる可能性があります。

時効の成否はケースバイケースで、取引の経緯や最終返済日によって判断が異なります。「時効かもしれない」と自己判断して諦める前に、一度弁護士に確認することをお勧めします。

【参考】過払い金の時効っていつ?期限を過ぎても請求できるケースも合わせて解説

具体的にどのような手順で請求を進めるのか

相続人による過払い請求の流れ

相続人が過払い金を請求する場合の手続きは、大まかに以下の流れとなります。

① 被相続人の借入先を特定する

遺品の中から、消費者金融やクレジット会社の書類・通帳・カードなどを探します。借入先が不明な場合は、信用情報機関(CIC・JICC)に照会をかけることで、過去の借入履歴を確認できる場合があります。ただし、信用情報の保有期間は完済後5年程度が一般的であるため、古い取引については記録が残っていないこともあります。

② 相続関係を証明する書類を準備する

貸金業者に対して相続人であることを証明するため、被相続人の死亡診断書・除籍謄本・相続人全員の戸籍謄本などが必要です。相続人が複数いる場合は、代表者が手続きをおこなう旨の委任状も用意します。

③ 貸金業者から取引履歴を取り寄せる

相続人であることを証明した上で、貸金業者に対して取引履歴の開示を請求します。通常、開示まで1か月程度かかります。

④ 引き直し計算をおこなう

取り寄せた取引履歴をもとに、利息制限法に基づいた引き直し計算を実施し、過払い金の有無と金額を確認します。

⑤ 貸金業者と交渉・訴訟

過払い金の返還について、貸金業者と交渉します。交渉で折り合いがつかない場合は、訴訟(不当利得返還請求訴訟)を提起することになります。

【参考】過払い金返還請求の流れ

相続した過払い金請求を弁護士に依頼するメリット

弁護士一同

相続が絡む過払い金請求は、通常の過払い金請求よりも書類の収集や手続きが複雑になります。特に相続人が複数いる場合や、被相続人の借入先が複数ある場合には、弁護士に依頼することで手続き全体をスムーズに進めることができます。

また、時効の問題や相続放棄との関係など、法律的な判断が必要な場面が多く、ご自身だけで対応しようとすると思わぬ落とし穴にはまるリスクがあります。弁護士であれば、取引履歴の取り寄せから引き直し計算・交渉・訴訟まで一括して対応することができます。

弁護士法人山本総合法律事務所では、相続に絡む過払い金請求についてもご相談を承っております。「親が亡くなったが、昔の借金の書類が出てきて心配」「過払い金があるかどうか確認したい」という方は、ぜひお気軽にご連絡ください。群馬県高崎市・前橋市の2拠点で対応しており、ご相談は無料です。まずはお電話またはお問い合わせフォームよりご相談ください。

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