おまとめローンを利用しても過払いの請求は可能?
- 執筆者弁護士 山本哲也

弁護士が回答します。
おまとめローンに切り替えた後でも、切り替え前に貸金業者に発生していた過払いの請求は可能です。
以下で詳しく説明します。
おまとめローンの仕組みについて

おまとめローンは、複数の貸金業者などからの借金を借り換えて、おまとめローンを販売している銀行等の借金に一本化するものです。
これにより、貸金業者等に対する借金は完済したことになります。
もっとも、貸金業者に対して返済を続けていたことが消えるわけではありません。
切り替え前に過払い金が発生していれば請求できる

おまとめローン借り換え前の取引が過払い金が存在する条件を満たしていれば、借り換え前の業者に対して過払い金返還の請求をすることができます。
具体的には、次の3点をすべて満たしていれば過払い金の発生の可能性があります。
① 借り換え前の取引が、平成19年(2007年)よりも前から始めたキャッシングだった
② 借り換え前の取引が、銀行、ショッピング、住宅ローン、車のローン等には該当しない
③ 借り換えから10年経っていない
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おまとめローン利用後の過払い金請求はブラックリストに載らない

通常、借金返済中に過払い金返還請求をして、戻ってくる過払い金よりも残っている借金の方が多い場合、信用情報に「債務整理」をしたと登録がされます。
いわゆるブラックリストに載ってしまった状態になるため、その後の新たな借り入れができなくなったり、ローンの審査に通りにくくなったりする可能性があります。
ですが、借金を完済したあとに過払い金返還請求を行うのであれば、信用情報に傷がつくことはありません。
おまとめローンの切り替え後であれば、前記したように既に借金は完済されたことになっていますから、完済したあとの過払い金返還請求と同じ扱いになるのです。
また、おまとめローン利用後に過払い金請求したことが一本化先の銀行等で問題視されることも通常ありません。
こんな場合はご注意を

ただし、おまとめローンを使用しての借り換えから10年が経過していると、過払い金が時効になってしまっている可能性があります。
借り換えをしたのがいつだったのか、資料などできちんと確認しておくと安心です。
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過払い金返還請求の相談は実績のある弁護士に

過払い金を請求するためには、実際に過払い金が発生しているのかの計算、請求のための書面を作成する等の必要がありますし、計算等にあたっては専門的な知識も必要となります。
そのため、複数の貸金業者等からの借金を1本化しているような場合であれば、各業者に過払いを請求する事務手続の量は膨大なものとなります。
過払い金の返還を請求しようと考えている場合、まずは専門知識と豊富な実績を有する弁護士に過払い金の有無等についてご相談されてみてはいかがでしょうか。

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